ペンフレンド
やまうちあつし

私には友だちが
100人くらいいるけれど
ペンだけで繋がっているのは
あなたひとり

あなたが何処にいるのか
私は知らない

都会か
田舎か
   
火の国か
水の都か

浜辺を散歩しているか
山林で深呼吸しているか
   
高級ホテルの一室でドンペリを開けているか
古びた病院の一室で点滴を受けているか
   
何処の誰でも構いはしない

男でも女でも
どちらでもなくても
   
老人でも赤ちゃんでも
被害者でも加害者でも

字を見ればわかる

あなたの生活が
あなたの年輪が
あなたの微笑みが
あなたのため息が

字を見れば

あなたは何色の
ペンを持っているだろう

それだけに関心がある

私のペンは銀色をしている
銀色は孤独の色だという
私には友だちが100人いるという

電話もしない
会いにもいかない

ペンだけで
伝えたいことがある

それでしか
伝えられないことが
この世にはある

言葉は
オオルリに

どうか
元気で


自由詩 ペンフレンド Copyright やまうちあつし 2018-12-18 07:23:11
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