留守番
ミツバチ

ここは高層マンションの上の階で
地面より空の方が近い
お気に入りの窓辺で何時も
ビルと空と飛行機を眺めていた
風がカーテンを揺らす度
私の心の羽が少しずつ伸び
ビルをすり抜けて
街を飛び行く夢を見る

この街のずっとずっと向こうは
海かな
それとも山かな
海だったら飛び進む程に
潮風が濃くなるだろうし
山だったら飛び進む程に
空気が澄んで行くだろう

あの鳥の後ろを付いて
海や山をも越えて行ってみたい
そう今にも心は飛び出す勢いで
窓枠を掴む手には
無意識に力が入る時
ピンポーンと鳴るチャイムの音で
ハッと我に帰る


自由詩 留守番 Copyright ミツバチ 2018-09-26 22:18:23
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