惨めさ
草野春心



  ひかりをやぶき
  いくつものかたちが
  そのかたちをしているのをみる
  それは偶に 惨めなことだ
  
  夕焼けに似ていない
  コロッケに似ていない
  どうでもよさに似ていない
  ひかりをやぶき くらやみをかぶり

  ただ ふりしきる雨のように
  わたしたちのなにもかもが
  わたしたちを覆っていく
  それは 実に 惨めなことだ




自由詩 惨めさ Copyright 草野春心 2017-06-17 17:23:37
notebook Home 戻る  過去 未来