鬼火
1486 106

闇夜に燈る不知火

篝を模り人を誘う

新月が封印を解き

古の亡者達が甦る


骸は躯を軋ませながら

悲痛な叫び声を上げる

轟きは山を越え響き渡り

悠久の世の終わりを告ぐ


闇夜に燈る不知火

業火の如く燃え上がる

満月の力を得た骸は

鬼となり人を喰らう


これは祟りかはたまた呪いか

逃げ惑う人々は成す術もなく

築き上げたものは灰になって

静寂の世を覆い尽くすだろう


自由詩 鬼火 Copyright 1486 106 2017-05-10 20:57:21
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