神様
1486 106

階段の踊り場で泣いていた
君を遠くから見つめていた
長い影は昇降口まで伸びて
夕闇に消えてしまいそうだった

ここで君に話し掛けたら
何かが変わるというのかな

叶えたい願いは一つだけ
神様もし足りないというなら
必要なだけ奪ってください
今までの幸せと引き換えに
願いを叶えられるというなら
全てを捧げても構わない

階段の踊り場から走り出した
君を遠くから見つめていた
勢いよく昇降口を飛び出して
彼の元へと向かうんだろう

ここで君を引き止めたなら
何かが動き出すというのかな

叶えたい願いは一つだけ
神様もしも足りないというなら
必要なだけ奪ってください
これからの幸せと引き換えに
願いを叶えられるというなら
一瞬の喜びでも構わない

階段の踊り場へ駆け上り
君がいた場所に立ってみた
眩しい夕日が目に沁みる
夕闇に消えてしまいそうだ

叶えたい願いは一つだけ
神様もしも足りないというなら
必要なだけ奪ってください
今までの幸せと引き換えに
これからの幸せと引き換えに
願いを叶えられるというのなら

叶えたい願いは一つだけ
神様もし叶えられないのなら
誰かに譲ってしまいたい
叶えたい気持ちと引き換えに
全てを忘れられるというなら
このまま消え去っても構わない


自由詩 神様 Copyright 1486 106 2017-05-08 21:37:43
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