セントラル
1486 106

誰も知らない遊園地 僕のセントラル
ジェットコースターも観覧車もあるのに
営利目的でも有名になるためでもなくただ
みんなに喜んでもらいたくて作ったのに

誰も知らない遊園地 僕のセントラル
素敵な花園も憩いの広場もあるのに
朝から晩まで心を込めて手入れして
おもてなしの準備はいつでも万端なのに

自分からは声を掛けたりしない
誰かが声を掛けてくれるのを待つだけ
上手く伝えられないのが怖いから
それは多分誰のせいでもない


誰も知らない遊園地 僕のセントラル
ジェットコースターも観覧車もあるのに
巨大な看板を立ててアピールしたならば
少しは興味を持ってもらえるかもしれないのに

三人でいるとちゃんと話せるのに
二人になると上手く話せないんだ
上手く伝えられないという事実を
ただ誰かのせいにしたいだけ


誰かといる時に感じたものを
一人になると全部忘れて
まるでこの世界には僕以外に
誰も存在していないみたいだ


誰も知らない遊園地 僕のセントラル
ジェットコースターも観覧車もあるのに
訪れた人達は口を揃えてこう言うんだ
見せ掛けだらけのハリボテだってね

誰も知らない大きな穴 僕のセントラル
遊園地は今や廃墟になって見る影もなく
いよいよ人が訪れる理由は無くなった
晴れて僕は本当の一人になった


自由詩 セントラル Copyright 1486 106 2017-04-22 18:56:09
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