水夫
吉岡孝次
1.
湿った韻律へ。
肋を晒す木々の懐を遡行し、
喪失のしぶきを散らす探索の漕ぎ手に
なり果てたね、影は。
(見立てられた「白紙」も
やがては人身を嘯き・・・)
鼻先をつまむ苦笑いの、施頭歌。
2.
名は絶たれし、ローティーン。
「晴れずとも霧。興ぜずとも航路。」
と
誰に 言おうか。
3.
きっと最期まで目は閉じられない気がする。
人生って昼かい?
どんな吹奏を奇貨として
小艇は僕を沈めようとする?
自由詩
水夫
Copyright
吉岡孝次
2005-03-07 22:18:43