詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って　わかる？
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦闘機みたいに
いや
ちがうだろう
低く迷っているから
詩を書くんだろう
むしろ迷っていないから
書けないんじゃないの？
何もかも
わかり切ってるような気がしちゃってさ
常識とか世間の空気とかに
浸って
中ぐらいのところを
漂って
むしろ流されてるから
特に迷ってる感もないし
疑うのも
裏を読むのも
疲れてくるし
難しいことはわかりませんて
言っとけば
誰かが
代わりに考えてくれるみたいだし
余計なことは言わず
気にせず
分をわきまえ
礼儀正しく
いい子にしていればいいんだよって
教えておけば
息子たちはみんなゲームの続きみたいに
武器と誇りを持って
戦地へ赴くんでしょう
銃後を守る私ら母親も
逆らわず
空気を読んで
みんなに合わせて
与えられた情報だけを
鵜呑みにして
「故国のために戦う」ことが
オリンピックの選手みたいで
立派なことだと思えてくるし
応援するのも楽しいし
頑張って
手柄立ててよと
鼓舞する
勲章を与え
参拝する
空から爆弾が降ってくる日も
みんなで心を一つにして
勝つまで頑張ろう
なんて
すっかり思えてきて
いかなる場合にも戦争は間違った選択だと
国家という名の支配層のための
国民を使った殺し合いだと
命と引き換えに
残した先人の言葉を忘れ
時と場合によっては
やむを得ない苦渋の決断だ
などと
まじめに思ったりするのだろう