Pokémon COME
木屋 亞万
どんなにたのしいゲームでも
電源を切ったらさようなら
ゲームの世界に遊びに行っても
いつかは帰ってきてしまう
朝起きたら窓際にポッポちゃん
困った顔のコラッタがベッドで僕に威嚇して
廊下でフシギダネがふよふよとツルを動かしこちらを見てる
食卓ではイーブイがマグカップの横に佇んでかわいい
最寄駅ではドードーが首を長くして待っている
僕は子どもの時に戻って
夢中でモンスターボールを投げる
コントロールは定まらず
やつらはボールに収まらないが
疲れたころに窓際を見ればやっぱりポッポちゃん
遠い遠いゲームの世界から
僕の街に
僕の家に
僕の目の前にやってきてくれたのだ
遊ぼう
僕らの生活は
いま信じられないくらい
虚構に肉薄しているんだよ
自由詩
Pokémon COME
Copyright
木屋 亞万
2016-08-03 00:27:48