密度
DFW


かみひとえで間に合わなかった
決意の、剥製を
溶けかけた終着駅にさらしている



草が生い茂り
傾いたプラットホームの白線が
一から始まり一で終わる全てをさえぎり
オポチュニストな私に
一定の翳りを叩きつけてくる


サイレンが鳴り響く


きみは
遠く 、
揺すれ 消えた



居場所を誤魔化せずに足踏みしていると
樋をつたい、肩を濡らす
一人称と目が合う


うずたかく建設されていく
溜め息の密度と
独りよがりの
摩擦



錆びた、方向のないレールに悔しさを押しつけて
大きさのない空間を積んだ列車の到着を待つ



0の重さをはかろうと差しだした
腕の旋律は風に消え


最初の丸みを取り戻す夜の地球が
霧深いアザの周縁を
無闇に裂こうとする




自由詩 密度 Copyright DFW  2016-07-04 16:29:20
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