のはら
モリマサ公

草ぼうぼうの渋谷スティション
手をつよくつよくぎゅっとしながら
ヒカリエの壁に映った影が存在を主張
これはあたし
ぐしゃぐしゃにつぶれた車たち
あれもあたし

少し未来のファッションでオリジナリティを検証
駆け抜ける瓦礫の山をボーイズの汗かいた背中が散る
展開するフレーズ
頭の中を流れてるしらないストーリー
コンパクトにまるめた体の中猛然と進んでく

リアルな希望とリスクを算出
今できることのちょっと先をみている
時がながれてくスピードはシズル感いっぱいのスローモーション
このプロジェクトにまず名前をつけよう

本当はどうでもいいんだけど
誰だってしちゃいたくなる「あっという間のスーサイド」は別に得にいらない
すでに飛び出してしまいたい空間がいやにやさしい感じするから
広がった草原あんなにも花はちいさくって咲いていて
みはらしのよい半分にちぎれた中途半端なビルの
窓たちが割れてるのほんと緊張するし苦手

中央にはなにもそびえてない
なつかしくなって泣いたりしない
ゼロ地点が
体中に染み込んでいく
いくつもの重力が移動して
たくさんの現在があちこちでする
絶妙なバランスで生き残った誰か

穴があいてメルトダウンした109の看板を切り取る
わたし目玉が浮かんでいる感覚がすきです
はきこんだ無重力のデニムの中身を
過去が吹き抜けてく
歴史がどんどん死んだ

せつない事なんかひとつもなかった
呼吸するあの日
きみの肌の色が色あせて何度もおもいだすたびに
きみたちが全部が夢の中だったらあたしも目が覚めるのかなって
なんちゃってすきだよそんな透明になっていく景色もすごい大事にするね

毛布にくるまれた腐ったボディが嗅覚にあふれる
悲しかった永遠なう
悲しかった無限なう
あこがれない朝を無視しながらなう
無印良品のスニーカーがすりきれてなう
もう命とかってあーあ
なんだったんだろー

道玄坂もなにもかもめくれあがって
スカートが燃えている
電波なんか当然なくて
灰色の膨らんだ空をみあげて
長い髪に火は燃え移った
それがあたしだなんてかなり恥ずかしかった

それでも奇跡になりたかった
生きるという要求を超えたかったその隙に
すばやく過去が吹き抜けていく
これがあたし
記憶の旅を網羅する
















  


自由詩 のはら Copyright モリマサ公 2016-05-21 00:56:42
notebook Home 戻る  過去 未来