大統領にいいたいこと What I want to say to the president
るるりら




ようこちゃんのおうちは
このへんにあったの

そこは
うつくしく聖地化された
さまざまな国から贈られた
木々からなる緑陰

なにもかも
うつくしい緑に塗り替えられたけれど
そこには 人の住む町があった

焼野原になったあと
やっと立てた家は 撤去をよぎなくされ
林立する基町アパート群に移動しても
ようこちゃんの ほんとうの家は
公園の中にあったの

大統領が高いところからみる
この公園は、きっと すがすがしい緑あふれる公園でしょう
けれど、そこには
かつて、ひとのくらしがありました

へい リトルボーイ 
ちぃさな子どもという名前のバクダンは
永遠に子ども名前のまま
なんども
まるのみにしたのです
 


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黒髪さんに英語に翻訳していただきました。

【What I want to say to the president】

Yoko's house was around here

It has become a beautiful and sacred land
Here are green shades of many kind of trees given by many countries

All things were repainted by beutiful greens
But here was a town that people had lived

Barely builded House on the burn-out ruins had to be removed
She moved to bristling apartments in Motomachi
But Yoko's true house was in the park

The president will see this park full of fresh greens from the height
But people was living there before

Hey "little boy"
A bomb named after small child
Eternally as a name of a little child
It swallowed whole many times


*****
後述

この詩を書いたあと、ここに投稿する前に原爆資料館を見てきました。

公園内には、いつもより大勢の修学旅行生がいたような気がします。
改修工事中ということもあり 騒々しい状況でしたが
被爆体験をお持ちの説明員の方々は 
今しか伝えるときはないという意気込みをしておられました。
改修工事の方々も掃除の方々も、とても真摯に作業をしておられました。
入館前に出口付近を通ると、資料館の出口で 号泣している女子中学生と出会いました。

リトルボーイの模型は、頭上に掲げられていました。
たったの三メートルほどしかない爆弾です。

この詩では 死のことには ふれませんでした。
死の淵の廣島を経験にもっておられる方々の言葉で 語られるべきことだと思ったからです。


自由詩 大統領にいいたいこと What I want to say to the president Copyright るるりら 2016-05-14 02:58:22
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