つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです 

うたたねの山々は ....
【ふたつの音】



毒虫に やられ
全身は はれあがっておりました
つかれきった こころに
毒蛇を漬け込んだ酒をかけると
寝袋の中に身を横たえた私は、
水平さざ波のように 癒えてゆ ....
【紙屋町界隈】

ここには来れないあなたを
さがしています
わかりやすい たいどで
わかりやすいことばで
さがしてみます

街のあちこちにカメラを設置し
あなたの陰を
さがしてみま ....
【作品の前に】

シャンソン「枯葉」の歌詞作者 詩人プレヴェールの詩『夜のパリ』という作品の前後の
物語を詩にしてみようという企画がありました。
プレヴェールは第一次大戦、第二次大戦を経 ....
先日 ひょんなことから ひさしぶりに無人島に行くこととなった。
それは何年のか前に二度ほど 山里に暮らしている子供たちに海で自給自足体験をさせてあげようという企画に参加したことがあり、そのご縁で ふ ....
【百合】


昨夜の薪が
まだ ほんのわずか ちろちろと している
寝る前に見た 夜光虫のまたたきと
星々とのまたたきとの
違いがわからなくなくなってしまった
ほんとう ....
   太陽の匂いが漂うんです
   懐かしいあの土手沿いの道の一画に


   両手から
   はみだしてしまう大きさの
   おおきな亀裂のあるトマト
   とうさんが  ....
きえねばならない思いをかかえて
心の溝を覗くとき

淵に足をすくわれそうな闇を前にして
問うてみる
闇は誰のため
誰の物でもない
とてつもなく広がる
だれそれのたそが ....
見慣れないスカーフを胸に
少女になり
出て行こう

テーブルの上には、昨日までの私への さようなら
きっかけは
太陽と星とがイーブンなのよ
テニスの試合でいうなら いままさに 
ラブ  ....
ある朝
ヒナのために批評している
ツバメの雛が巣から落ちたのだ
百均の店員の
みなでしつらえた
段ボール製ヒナ落下防止板の設置位置について
ヒヒョウしている
作業が遅れ
巣からな ....
心明は暗きまま
 あけてはくれて繰り返す放埓に
  やぶにらみのいばら屈辱の叱咤
  (暮れなずむ空に水音蛙の声  ....
【黄金の川】

主述の黄金律が 逆さに流れている川が
ランゲルハンス諸島には或る
島では、今日も甘美なインシュリンの雨が降り
下降気流で冷やされた土壌に蜜の匂いが立ち上がっている

 ....
姉妹は今日も
山間にある店に行く
季節は うつろぐ
路にはスイカズラが咲き
神経の先端が 花の香りに触れると
セカイのことなど すっかり わすれ
やるせなさと はかなさの間に
路が 現わ ....
愛については
猫が、大統領よりずっと詳しい
だって猫は いろんな壁の上を
やすやすと あるいてきたんだ

ひとびとが にぎわう繁華街
ひとびとが やすらうベットタウン
肩をおとそうとした ....
ようこちゃんのおうちは
このへんにあったの

そこは
うつくしく聖地化された
さまざまな国から贈られた
木々からなる緑陰

なにもかも
うつくしい緑に塗り ....
燃えている

あれは、
もしかするとマグネシウムホイールかもしれないね
二本の轍からオレンジ色の閃光が突っ切ってくる
反照で人々の表情はエジプト壁画のように、平面化したが ....
「星とたんぽぽ」


ねぇエトワール 見て御覧
中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果て
つかめぬものを つかもうする指先

いちめんに咲く たんぽほのロゼットが地面をつ ....
【空】


ねぇエトワール  たんぽぽの君に エトワールって名前をつけたよ
君の 中芯は 中空に在るよ
精一杯 背伸びする風の最果てを
つかめぬものを つかもうとしている

 ....
【無口】


山高帽の男の顔は見えないが
どこにでもある石を缶詰のように
開けようとしている

男にだけにわかる匂いを閉じ込めたのは
誰なのか
日記帳の文字の旧字体が
机 ....
ハイバックの助手席じゃあ
帽子のツバが すこしむずかしい
すこし雨滴のあとの残る車窓から見える景色は
映写機のように枠のある動画
だけれども携帯の電池なんて いらないよ
幸運にも にわかに咲 ....
【こめる】

ちいさな人が ちいさな声でいった
「あさがおは かさ みたい」
くるくるたたんでいる花は かさみたい
雨の日にひらくと かさみたい

ちいさな傘から
ぬー ....
「いかりを おろせ」


ためいきが でる 
ちからづくだから からだが いたい
つらい かなしいが つづく
てのない ゆうれいが つつみこむ
ともかく もがく 

なんとか い ....
そういうことか
海も空も
まるいんだ

どれくらい走ったろう
眼前には海があり
道端には 菜の花と桜が続いている
ふと 同じところを何度も通っているような気が
して
 ....
かつて 大本営のあった場所は晴天なり
銀のフォークの並ぶ部屋から見下ろせば
ゆっくりと雲は 流れる
ナイルの川ほどではないにしろ ゆたかな水が輝いて

四方形の掘の水が かつて権威のあっ ....
なにもかも捨てておしまいなさいと
無闇に心臓に くりかえしていた 
いたいのいたいのとんでけとんでけの耳の指示どうりに
しでかしてしまった空虚を
空に放つと 釘を打つ音がする

清水さんち ....
【ゼロの華】(鈴木 海飛様 発案の御題です )


からたちの木は 棘だらけ
それでも夏には まるく緑陰つくります
嶮しい棘が獣に怖れを与えることを止めません
冬には 雪に伏せらながら
 ....
雛祭り 終了のおしらせ

もうしわけありません。例年していた段取りを おおきく
踏み間違えました。お詫びの言葉もありません。
るるりらは なにかしらの原因によって 能力の低下に おそわれていま ....
道は山の中 
ふざけたようにあそぶように
きれぎれにもぐるトンネルを 
もぐろうとする粉雪
いつだったか春一番が吹いたのが 嘘みたい

お外は梅が咲いてたよね おまけに
小鳥も鳴いていた ....
白旗を立てたのは
はじめてじゃあなかった
すべてを 無かったことにしたことは
はじめて じゃあ無い

終らせるつもりで立てたフラッグ
あの日 あの場所で憎い辛い人の傍に立てた
悔恨の ....
これより、
三月三日【雛祭】を 開催いたします。
もしも コメントが ご迷惑な方は、もうしわけありませんが
三日の日を避けて ご投稿なさっていただけるように おねがいします。
るるりら(421)
タイトル カテゴリ Point 日付
あいづち自由詩15*16/8/29 12:46
ふたつの音自由詩7*16/8/20 9:13
紙屋町界隈自由詩10*16/8/13 6:46
完全な闇---『夜のパリ』 プレヴェールに寄せて--- 自由詩2*16/8/12 9:22
辺境の地の精霊たち散文(批評 ...5*16/8/4 10:33
百合自由詩12*16/8/2 8:12
真赤な太陽自由詩20*16/7/18 8:49
消える自由詩9*16/7/17 15:28
渇く自由詩8*16/7/7 10:53
あたいずむ自由詩9*16/7/4 18:24
初夏の刹那自由詩8*16/6/15 18:30
川辺にて(三篇からなる オムニバス)自由詩6*16/6/10 10:38
姫たちのお茶会 下[group]自由詩4*16/5/31 9:46
大統領よりずっと詳しい[group]自由詩13*16/5/19 19:57
大統領にいいたいこと What I want to say ...[group]自由詩616/5/14 2:58
ゆらり リエゾン 自由詩8*16/5/9 14:56
おおぞらに <二篇のみの詩集>自由詩7*16/5/7 10:03
喰う寝るトコロに住むトコロ自由詩11*16/4/20 11:41
姫たちのお茶会 中[group]自由詩10*16/4/8 10:08
姫たちのお茶会 上[group]自由詩10*16/4/6 16:41
ちいさな 三つの声 [group]自由詩17*16/4/4 16:02
えーぷるな ぷーるたちによせた 三つのポエム[group]自由詩5*16/4/1 8:15
指折り数えるクリノリン [group]自由詩14*16/3/28 1:23
【Paradox Japan】(パラドックス・ジャパン)[group]自由詩6*16/3/22 18:48
『森で釘打つのは誰?』自由詩11*16/3/14 8:31
ゼロの華自由詩616/3/7 8:13
★三月三日 雛のお祭企画 終了のおしらせ★自由詩1*16/3/7 8:08
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。[group]自由詩5+16/3/3 0:30
「失ったのはなに?」[group]自由詩416/3/3 0:22
★三月三日雛のお祭開催します★自由詩016/3/3 0:13

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