女たちと日曜日
番田 

自分を隠しながら
日曜日のある日
静かな坂道を 歩いていた 私の姿
そうすることがどうやら許されているようだった


緑を繁らせた 今はもう 花はそこにはない
桜の散った 木々をもう 見上げる人はいなかった
光にできた 木陰を私は歩く
この街に来たのは4年前のこと


あの頃はまだ希望があった私がいたものだった
将来の自分に希望を感じて
挫折していたほうが 良かった
今はもう 途絶えた希望のことすら覚えてはいない


私は歩く 4月の終わりを
何を求めて私が歩いてきたのかを晒さなければならない
しかし会社では 自分の夢見ている姿を隠しながら
今日も ぼんやりと歩いて行くのだった



自由詩 女たちと日曜日 Copyright 番田  2016-04-24 21:37:59
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