リスタート
番田 


今年も桜を見に
自転車で桜並木の坂を降りていった
だけど 私は 今年は一人だ
来年は 誰かと一緒に来たいものだけれど


そんなことを考えながら 私は
人ごみの中に紛れこんでいた
しかし一体何のために風景の中を歩いて行くのだろうと
少しだけ頭の中では居場所をなくしていた


昔 結婚した友達と この道を歩いていたことがある
今と 同じように 並んだ 桜の下を
彼は新しく出来た可愛い女の子を連れていた
もう あまり 今は彼とは連絡もとっていないけれど


私は そのまま中目黒駅を抜けていった
桜橋のところで 枝の間から ピンク色の空を見上げる
今年も一点の陰りもない夢の様な世界に包みこまれながら
明日も頑張ろうと また ひとりで歩きはじめた


自由詩 リスタート Copyright 番田  2016-04-03 22:39:02
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