エンドレス・ワルツ 【27首】
ピッピ


こういった趣味を共有する場なら離れることは死ぬのと同じ


【雨水】降る雪が涙に代わる頃。誰の涙か御存知かしら


青いビーズ3個心臓娑婆娑婆と僕が生きてる意味が聞こえる


「朝食のホットケーキに何かける?醤油?ソース?やっぱ塩コショウ?」


死ぬために生まれてきたからドとソとラ不協和音でもコーラスうたう


アパートは音楽室じゃありません。深夜3時のピアノでヴギー


「結婚は?」「歳の話はいいじゃない」「祖父の容態」「それは寿命よ」


ルービックキューブを5色そろえたらママが許してくれるっていう


不可思議は可思議となった 砂の数ほど本当に人類がいて


「もんちゃく」で数えるような詰まらない口論をして15分死ぬ


ダブルバイセップス、僕の首筋をねじ切るような筋肉の瘤


「卵好き」「それが誰かの子供でも?」口にするもの全てがそうよ


この皿は空っぽじゃなくドーナツの穴だけ遺して食べた残骸


この海の上で戦争が起こったの、託つチョコレートサンデーの女王


海なんてどこにでもあるよ 海を見て感動をする君のめんたま


後頭部突きつけられた拳銃にオーケーオーケー、アイムレディー


水を見たことがないから初めての雨で叫んだ「ファフロツキーズ!」


いいねとかリツイートとか降り積もる骨身削った死体のうえに


既卒です第一志望一般事務電話業務はおこないません


人間のかけらを喰って生きてるの、白いトカゲを前に彼女は


「902」「2と11と41」合成数をはだかにしてる


旧字だともう読みたくもなくなってだりいと放つお前の壁に


手すりから手を離しても歌えるよ(地獄に音は届いていない)


あーやっと輝く未来が見つかって立入禁止の朱色のネオン


翔んでゆくあなたを拘束し得るもの 男は鳥で女は鎖


あんたらのかみさまは今しあわ、いや、100円2個のパンでいきてる


最期だとしても笑って見ていてよ羽根が燃えてもワルツは続く











                         ワルツは続く


短歌 エンドレス・ワルツ 【27首】 Copyright ピッピ 2016-01-08 00:20:37
notebook Home 戻る  過去 未来