kokage
草野春心


  
  木陰に座り
  目をとじたまま
  わたしは笑いたかった
  あなたが居なくなったあと


  透明な礫の群れが
  わたしを通りすぎていく
  躰を 穴だらけにしながら
  それでもわたしは


  笑いたかった
  木陰に座り 闇のなかで
  滅びゆく 愛だけを見つめて
  



自由詩 kokage Copyright 草野春心 2015-11-22 22:03:26
notebook Home 戻る  過去 未来