焼けてしまってどこにもない
ユッカ

僕の今夜のスケジュール
ぜんぶダメにしていいから
会いにおいでよ

なんて
ほんとは自分が会いたいだけ
なんて
言えない
こんな
煙のようないとしさも
いつか空に吸いこまれる
ように消えてしまうんだろう




と くちびるを動かしたときに吐き出される
空気の温度が
吸ったことのない煙草
吐いてみるようにさむいんだ
ため息から
どこか焦げたにおいがする


この夜にいる人々のほとんどが
スマートフォンの ひかりで
照らしだされた人の顔をしているだろう
こんな夜
僕は今
知るんだ
気のせいかもしれない愛が
ほんとうは
大事なゴミくずだったんだってこと


自由詩 焼けてしまってどこにもない Copyright ユッカ 2015-11-19 23:39:33
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