薫子

久々の雨、朝からの秋雨に濡れて足もビショビショに‥

もう!だから雨は嫌い!

と言いながら、私は本当はそんなに雨が嫌いではないことを思い出す。

雨が窓を伝うのをみながらパラパラと打ち付ける雨音はそんなに悪いものではない。

静かな部屋で1人でその様子を見ていると、雨音はまるでリズミカルな音楽のようだし、窓を伝って流れる雨は窓ガラスに私の顔をだれか違う人のように映す。

雨の流れで強い雨の時はたくさんの雨が窓を伝い私の顔もまるで海の中にいるようだ。

小雨の時には、私がまるで涙を流しているみたいに‥

大雨の雨音、小雨の雨音‥

静かな午後の時間に、私は1人で雨音の音楽会に興じながら目を閉じる。

静かな午睡のひととき‥‥


散文(批評随筆小説等)Copyright 薫子 2015-11-09 23:25:28
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