おにぎり
春日線香

朝、おにぎりを握る
水に手をつけて塩をすりこんで
ほどよくめしを手にとる
手のひらに熱が伝わり
熱を握っていく
この世で握られたすべてのおにぎり
すべての人が感じた熱さを思う
炭化していく手のひら、指、爪を思う
心はどこにも存在しない
心ない白い骨がおにぎりを握る
白い骨がおにぎりを皿に転がす
居間に運ぶ


自由詩 おにぎり Copyright 春日線香 2015-10-17 10:35:21
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