冬支度
春日線香

朝晩は冷えこむようになり
少し体調を崩しがちになった
以前から夜の間にうちに来ていた
手舐め、足舐めの人たちは
そろそろ寒くなってきたからと
出勤を控えるようになった
とはいえまだしばらくは曖昧な気候が続き
朝起きると手足が土にまみれていたり
あおみどろだらけになっていたりする
舐め人たちは自分たちがいれば
そんな不自由はさせないのだがと
言ってくれてはいるのだけれど
この苦労もたかがあと何日かのこと
そのうち手足に芝草が生え揃い
冬の野山に適応した手と足が
春までわたしの夢遊を支えるのだ


自由詩 冬支度 Copyright 春日線香 2015-10-12 22:29:49
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