たつき
春日線香

夜明け前に仕事を始める
様々な場所から様々な理由で運ばれてきた壺が
庭に無数に置いてある
それをいくつか隅に転がしていき
思いきって頭上に持ち上げた後
ふっと力を抜いて地面に叩きつける
この時の快感はえもいわれぬものである
ばりん!といい音を立てるものもあるし
ぎゃっ!と叫び声を上げるものもある
壺を砕いているのか
人間の頭を砕いているのか
不思議な気持ちではあるが
苦しいこの仕事には誇りを持っている
身体が動かなくなるまで続けていきたい


自由詩 たつき Copyright 春日線香 2015-10-09 23:50:37
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