白の終わり
合耕

白の終わり

マラソンコースが変わった後も毎朝堤防まで走る
その道程の 掻き曇るどころじゃない
レモン臭い息たち

ゆずの終わり

できたばかりの新しい大きな橋が
デートスポット扱いされずに済んだから
歌う代わりに 家で録音してきたの、と突き出す指
影絵のキツネの形

臍の終わり

目の中を暗くするため余計に光が差して来る
タイルを剥がしたい気持ちだけで虹は作れないが
堤防にも 橋の上にも立った手首なら
押し上げて空へ重ねる


自由詩 白の終わり Copyright 合耕 2005-02-15 21:09:52
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