いまは 雨なんか嫌いだ
蒼木りん

息を吸い込んだときに

嘗めていた飴もいっしょに吸い込んで

喉の途中で止まっているので

水を飲むしかなかった


どうやら

胃に落ちたようだ

気管に入り込まなくてよかった

喉を切開することにならなくて

よかった


嫌な感じは

まだ喉に残っていて

飴なんか嫌いだ

いまは

雨なんか嫌いだ



年寄りになったら

白髪頭を

小突かれながら

オムツ履かされるのかな

しなびた手足

人でなし


弱いもの苛めしちゃいけないよ

伝染病だから

あれは

屈折した欲望だから

あれは


過ちに

怯えるから

止めることができるよ

気づくかい

解凍するかい

それとも

魔に憑かれているから

無駄かい



あれからは

飴を嘗めても

いつでも心の準備はできているよ




自由詩 いまは 雨なんか嫌いだ Copyright 蒼木りん 2005-02-15 02:36:39
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