Pips
藤山 誠

陽光絶え間なく降り注ぎ
空気に光の粒 満ち満ちて
いくら瞼を閉じてみても
隙間より零れ来る

悪意の種を優しく撒いて
冷たく暗い気持ちを注ぎ
仮面を置いて日陰を作り
全ての芽が出うる種たちを育んでいく

一歩も進めぬ
眩しくて一歩も進めぬ
熱くて一歩も進めぬ
清々しくて一歩も進めぬ

笑顔で手を握るもの
必死に背中を押すもの
踏み台になるもの
弾除けになるもの

摩擦していく 摩耗していく
日の光によって 人の手によって
ぎざぎざの種が丸くなっていく
冷たい種が熱くなっていく
警告音がなっている
ああ 黒い種達


自由詩 Pips Copyright 藤山 誠 2015-09-08 00:50:38
notebook Home 戻る