彷徨う
猫の耳

彷徨う
空を 海を 宇宙を
いたたまれなくて
ここにいられなくて
突風に身をまかせ
時空を 彷徨う

彷徨う
誰かに会いたくて
でも会いたくなくて
微かな煙のように
静かな陽炎のように

どこにいても
まるで海底に落ちてゆく
一枚の飴の包紙のような
居心地の悪さを身に纏い
彷徨い続けてる

教室の一番後ろの席
体育祭のグラウンド
真夏の重たい鞄
交わすおはようの挨拶
心と身体が微妙にずれる

彷徨い探している
ひんやりと冷たい床に座り
隙間から覗き見る月明りに
照らされ
ラクダに乗り
砂漠を旅するように
一晩中


自由詩 彷徨う Copyright 猫の耳 2015-08-08 15:17:30
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