流るる水
猫の耳

水の流るる音を聴きながら
目を閉じると
深い山奥へと魂が運ばれる
まだ誰も見た事がない
苔に覆われた岩々が
小さな水滴を生み出す

どんな物語もかなわない
始まりの世界
これから何が起こるのか
最後にどこへ行くのか
誰にもわからない

少しずつ流るる水になっていく
私の魂も水に乗せられ運ばれて
何処へとも
何処へとも
行ければいいのに

不自由に囲まれた魂は
目を開ければ、
自分の身体に戻ってきてしまう

ふうっと息を吐く
もしかすると
魂は水滴よりもずっと自由で
何処へでも
何処へでも
望むところへと
行けるのかもしれない

その方法を、
私は百年後にきっと知るだろう



自由詩 流るる水 Copyright 猫の耳 2015-06-07 21:36:59
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