はちみつ
猫の耳

蜂蜜のような
とろりとした甘い眠りに
落ちる瞬間を感じたい
そう願いながら
毎夜布団に潜り込む

眠りの淵でゆうらゆうら
もう少しで
あと少しで
手が届きそう…なのに

まるで暗幕が
落ちてくるかのごとく
すとんと
眠りに溶けてしまう

そしていきなり朝が来る
目覚めてがっかり

いつだって
一番欲しいものは
手に入らない

手に入らないから
余計に欲しい

そしてまた
蜂蜜の甘さを求めて
今夜も布団に潜り込む


自由詩 はちみつ Copyright 猫の耳 2015-08-17 20:08:56
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