ジオラマ
そらの珊瑚

みずからの
水だけで
果実がジャムになる
という方角を
みつめている
わたしという誰か
くつくつと
やがて
ぐつぐつと
そうして
やがて
なにも言わなくなる
鍋だけが焦げてゆく

雨の日の
アドバルーンが
まるで罪深き生き物のように
あわく揺れてみせながら
狂えずにいる
ただ立っている
シンバルの残響
光は出尽くしたようだ
影は、ない


自由詩 ジオラマ Copyright そらの珊瑚 2015-04-03 14:51:41
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