HONEY
opus

タバコを吸って
煙を吐く
煙が霧散する
青空が見える

背中が冷たい
コンクリートの壁から離れる
肩を回す
伸びをする
グーっと

隣で
ベースボールキャップに
スタジャンに
でかいサングラスをかけた
女の子がチューインガムを
大きく膨らませて、

パンッ

え?
灯りが消えた
暗闇

サイレン
叫び声
怒号
誰かが責められている
あぁ、
やめてあげてよ

京子をフったのは
去年で、
理由は
しんどくなったから
それ以来、
SEX以上は
価値が無くて、
適当なメールアドレスを
教える日々
(LINEはやってないよーってね。)
要は責任が邪魔で
楽しく無くて、
まぁ、つまり、
自己愛の塊なのだよ
そしたら、
何か生きているのもどうでもよくて、
(親は5年前に死んでるし)
だから、
別に

で、
目が開いて来て、
んっと見たら
ベースボールキャップの女の子が
覗き込んでて
その目からは
涙が流れてて
それはそれは綺麗な涙で
悪い事したなぁと
ニカって笑って見せた

そしたら、
驚いて
大丈夫ですか⁉
っていうから、
大丈夫、大丈夫
って答えようとしたら
声が出なくて
あーやばいんだなぁって思ったら
何だか
自然と涙が溢れてきて

それで
何か
悔しくて
悲しくて
怖くて
嫌で
嫌で
そしたら、
すげームカついてきて、
ふざけんな‼
って

「ざけんな‼
何がどうだかわからねぇけど、
巻き込んでんじゃねぇよ‼」
って、
思ったら、
声に出てて、
叫んでて、
「あ、声でた‼」
っていったら、
女の子が笑ってくれたから
何だか嬉しくなったよ







自由詩 HONEY Copyright opus 2015-03-08 19:19:45
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