ひとつの場面をたどっていると

ときどき自分が

何処にいるのかわからなくなる

重なる二つの世界をずらせて

やっと戻ったとき

この場所の私の現実が

重たくて虚しい

此処からは

逃げられない


もう

眠ってしまえ

できるだけ楽にして

そして

できるだけ永く

別な場所にいける魔法を唱えよう



弱点は

だれにもあるから

隠すのが上手い人

あなたのように

神経質になれない

気持ちの速度がちがうのさ


臆病さん

そんなに急いで

何がいちばん欲しいの？

何がいちばん

怖いの？


私は

私を護る武器を持たない

あなたは？

あなたは痛い武器を持っているのね

武器は使わなければ錆びてしまうね


戻れなくなったら

心残り


残るね

この場所に