服毒
ドクダミ五十号

夾竹桃 馬酔木 ダチュラ
それぞれ煎じてアルカロイド毒を
成分からして苦いものだ
1?も飲んでみ給え
すなわちめまいや嘔吐悪心
意識は混濁し幻覚幻聴
「ああ、死ぬんだな」と感じる
精神はともかく
肉体の拒絶激しく
簡単には死ねないものだ
科学合成された薬物の大量摂取よりも難しい
昨夜散歩の途中
チョウセンアサガオかダチュラか
街灯に照らされた死を告げるラッパの様な
ほの白い花を見た雨に濡れた
ナスの仲間は恐ろしいが
花は美しい
強烈に苦いのは自らの毒を
飲む者に知らしめようとの意図か
一度失敗の苦さを味わうと
潔く生を苦しむべしとの
誰でも無い
心の奥底の声を信じる気になる
胃酸と毒の混合物の吐瀉
これも一つの人生の味なのだろう
死のラッパの聞こえない吹奏が
めまいを誘発する蝸牛のリンパ液を揺らしたろうか


自由詩 服毒 Copyright ドクダミ五十号 2014-10-24 10:10:57
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