蝸牛
Lucy

身の程知らずとか
自惚れ
自己満足と言われることが
そんなにも
辛いので

君が背負ってきたのは
身を隠すための
大きくて重い
空っぽの自尊心

翔ぶことも
大洋に漕ぎだすことも
諦めながら

苦い雨を嘗め
薄い葉っぱの水平線に
航跡を残す

渇いた心を切り売りしても
物語は手放さなかった
遠くまで行けなくても
地道な歩みは止めなかった

少しずつ生きてきたのか
それとも少しずつ
死んできたのか

君の航跡は
雨上がりの日を浴びて
ピカピカと光っている








自由詩 蝸牛 Copyright Lucy 2014-09-19 22:56:06
notebook Home 戻る