我々はやさしー
モリマサ公

星の残像をまぶたで凝視する無力すぎて聞こえない鮮明な色
古ぼけた皮膚のままスキなだけ歌を歌って夜が沈む
昨日の終わりのこないままで
指のすきから産まれおちる五線譜
もっとふかく溺れたいのもっと
ひんやりとつめたい感情
すみれ、青、群青、みはらしのいいビルの屋上
ごらん僕たちの新しい戦場の色
群青、青、すみれ
ひかり!
誰も黙れない朝よ
片隅の空が咲くよ今にも
ごらん無からのグラデーション
誰が影とまちがえたのまばゆい闇
孤独の青   
すみわたれ降り注ぐよりはやく舞い上がれ
「あらかじめ失われた子供たち
すでになにもかもをもち
そのことによって何もかもを持つことを
あきらめなければいけない子供たち
(リバーズエッジあとがきから引用)」
見下ろす地平線
キーボードがぼやけている
だから何にもない死さ
めぐまれたゆたかな午後に
散り敷かれる理由たち
すべて嘲笑われるのなら
ごらん線、シークエンス、バランス、リミックス、
ほらひとつの曲になっていく空何回も生まれて
あふれてやぶれてつながっていく
はじまりがはじまる
わかったらわかれなきゃなんない
だからこのまま
そう永遠にかわらなくていいよ
みえないヘッドフォンからの声の群れ
ふらふらの懐中電灯
てらされる青むらさきの蝶々が大量に大陸をわたっていく
がれきの街によこたえるボディー
なまあたたかい空気
そんなふうに明けていく空
ごらん明日の終わりを超える朝を
つながるひかり、メロディ、Enterキー
「あれは、なに?」
あたらしい音が聞こえたら
そこへ向かって飛べ


自由詩 我々はやさしー Copyright モリマサ公 2014-07-08 20:45:37
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