折り紙
ベンジャミン

重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でいました
尾なのか頭なのかわからない二本のツノは
怒っていました

指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて寂しくないように
僕はひとまわり小さいのを折ってあげました
その鶴もやはりくずれた格好で怒るので
また
ひとまわり小さいのを折りました
それはもう鶴なのかさえわからないくらいで
怒ることもありませんでした
かわいそうに
まるで紙くずのようです

手のひらにのせると
転がりそうになりながらも
よれた羽で懸命に自分を支えているのを見て
僕は泣いていました

涙を吸い込んだ鶴はゆっくりとうなだれて
やがて一枚の紙に戻りました
僕はまた
重たい言葉を呟きながら折ります
なぜ最初から
そうしてあげなかったのだろうかと思いながら
折った紙飛行機は

重たい言葉も
吸い込んだ涙も
まるで感じさせないくらいに

飛びました

机の上には
飛べない二羽の鶴がいて
見送るだけの僕がいて

それはもうくしゃくしゃにまるめて
捨てようと思いました




自由詩 折り紙 Copyright ベンジャミン 2005-01-23 11:32:48
notebook Home 戻る