シ
木屋 亞万
シは救いになるか
射出されるパイロットのように
肉体を捨てて魂を脱出させうるか
人生が進み
環境が移ろえば
シを求めることはなくなると
もはやシは
あやしい輝きを
一切持たなくなるものだ
と思い込んでいた
シ シ シ
感情のない
死んだ目で
シ シ シ
口を傾いで
笑っている
酔っ払って
シ
泣いて
シ
まどろんで
シ
そのシは
幸せですか
そのシは
悲しいですか
シは救いですか
愛ですか
戦いのシ
終わりのシ
始まりのシ
ノシ
ノシ
と
手を振って言う
シは人の
人だけにある
ものではないさ
さようなら
さようなら
のようなシなのさ
自由詩
シ
Copyright
木屋 亞万
2014-06-08 22:13:16