花咲く散り人
ただのみきや

花が笑うような日だから
つんのめった想いからビー玉みたいな嘘が転がっても
誰をも恨むことはないじゃないか
翼を切られた幼子も
失くした以上に強奪しながら
物足りなさに役立たずの爪を研ぎながら
好きだ嫌いだと生き伸びてきた
僕は舌を五寸釘で壁に打ち付ける
なのに言葉は
蟻塚で僕は
天敵という恩恵を待ち望む
白く肌蹴た一冊の鳩が
木洩れ日を浮かべ揺れながら
とっくに死んだ詩人をたっぷりと
時間の中に注ぐから
拡張され続ける言葉塚で
独りの欠片が
花のように枯れる
僕は光のように闇の中を転がる
花のように笑え日よ
嘘は産毛で覆われ天使よりも軽やか



     《花咲く散り人:2014年5月22日》


自由詩 花咲く散り人 Copyright ただのみきや 2014-05-22 23:23:53
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