わが明日へのソネット 〔ソネット〕
ハァモニィベル
昨日のしくみを知らないうちに
すでに今日が問いかける
夕焼の潤むような眼差しの熱さが、
圧倒するようなささやかな爪で、
巨大なオレンヂのなかに私を捕らえ、拘束し、開放した
いつなのかもわからない
夜の、暗闇の奥の奥の、奥に、
命の眼だけが爛爛と燿り、
どこかで、脈が、しずかな猛獣のように
打っている。風下から、夜の筋肉が
全力で、私を押さえつけても。
まるで、歪んだ古い皿の、底のほうに、描れた
青い象の如く、〈歩もうとして歩めない明日〉の、
すべてが、微睡みの影でも。
自由詩
わが明日へのソネット 〔ソネット〕
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ハァモニィベル
2014-05-04 15:30:16
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