夜の雪のように、燦燦とした陽に跡形も無く降り積もるだけの孤独な祈りが、また一つ舞う 網膜を行き過ぎる詩語硬直の行列
心は、始めから無い表情を隠し
意味は美を名目に犬となって瞑目する
      ――沈黙するロバの耳


灰色にずっと燃えている虫はかすかに
茜色の玉を胸に ....
遠近法が麻痺した囚われの眼(まなこ)を
墜ちるのを怖れた誤読の盲人たちが崇める
しんなりとした粘性の絨毯は織り上げる程
未来を消し去り 響きを失った時空に
拡がっている 奇妙な、奇妙な諧調
 ....
木漏れ日から、ふと宇宙を直観するような時がある。
それとよく似た体験を、―― 作者としてコメントを受けたとき
作品を見直しながら、ふと―― していることがある。
そんな時は、たいてい、その作品と ....
わたしは、生まれた時 自分が実体であることに驚いた

おそらく 死ぬ時は 自分が幻であったことを知るだろう
訪ねると いつも
固く冷たい廊下

その奥の
前髪に落ちた陰の 扉を
日差しが そっと開く朝

気配の草叢が かすかに
擦れて、
沈黙が響く

そら ね 
 ごらん
向こうで ....
夏にはぐれた神鳴雲がひとつ
ぽつんと漂う空
雲は、雲は、やって来たのに
大きく大きくなって やって来たのに
酷苦の炎天を 猛暑を 
掻き消してあげたくて

やっと辿り着いたときには
夏 ....
睫毛に言った
「もう眠ったのかい?」
「いいえ」
答えた口唇は
一瞬も動かず
間を置いてから
「死んでいるの」
そう語っていた


もう何処にも生きている窓はなく
道も もう 死 ....
部屋の隅に一つの箱があり
その中に、《詩》が入っていたから
ぼくは意外だった


《詩》の中に世界が入ってるんだと
てっきり
そう思ってた


もしかしたら
ほんとは《詩》の中で ....
いかにもその渡世を彷彿とさせる
全身傷だらけで 目の据わった
一匹の猫が 固く舗装された道を歩いてくる
踏みしめる肉球 心は動かない
ただ黒く固い舗道のザラつく感触のみ
彼は自分の ....
咥えた指が、ガラス張りの胃袋の中で蠢き、
吐出したいグニョグニョの悪夢を掻き回してる
肘からゴボゴボと沈んでいった頬杖

まばたきをしても何も変わらない
絶え間がない
そう気がつく

 ....
何も隠せない快晴の或る日
昼でも夜でもない街の中を
わたしは 俯いて歩く  
恐れられる吠えない犬のように そして
世界の綻びを拾い上げ  何もない空を見上げる


機械仕掛の戦略を支持 ....
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
 その歩数と
  掛け算するように
夜の密度が
 濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿しか
見えない

姿の無 ....
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
その歩数と
掛け算するように
夜の密度が
濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿だけしか
もう見えない

姿の見 ....
   *
レトリックの瓦礫が密集する街を頬を赤らめて通り過ぎてゆく足取りが虚しい
整然さを嫌った歪んだ街路ばかりの、あざとく惑わすような模造芸術の佇まい
支配電波が強烈な悪名高いB地区では入力辞 ....
「サーカディアン・フラクタル」


空といたい。
そう言って見上げた優しいおでこに
ギリリと違和感が粘着していて
不毛の鳥は翔けてゆけない!

「ヒューストン、応答せよ!」  ....
沸々と煮えている過去が
億光年の果てから
這って来るような
ソノ音がふつふつと
耳に辿り寄せるたびに
白くなりかけた記憶は
徐々に泡だって
蒸気のように巻き戻され
瞳の前にあらわれつづ ....
古い手紙を炎が読んでいる
泪を引き摺った星屑の海を見ながら
夜が月を口説きつづけている空に
たち昇り煙る記憶が渦巻いて踊る
醜く膨らんだ雲が濁らせた景色を
冷静に見つめる硝子窓は沈黙を守り
 ....
月山だけが
神々しい姿を見せている

幾つ 眼の前に現れ
幾つ 眼の前に
 崩れ去ったことだろう

高く聳えたいと
積乱する
白き夢を 
遥かな空に 見上げながら

 前に、  ....
本作品は、メビ【書換連詩リレー】にて、はるりらさん『いろとりどり』をベースに書いてものです。本作は語句転用が多いのでオマージュ作品です。
メビ連詩板で、私⇒こひもさん⇒はるりらさん⇒私という流れは、 ....
(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】http://mb2.jp/_aria/840.html#S65 にて、蛾兆さん無茶ぶりの(難)題名で書いた詩。)



 「キリン座とフラン ....
(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】http://mb2.jp/_aria/840.html-62-63 にて、はるりらさん無茶ぶりの題名で書いた詩。)




「雑草の名前 ....
形の無いものから逃れようと、必死に奔るうちに
地平線は、もう、どこにも、見えなくなってしまう。
「待機せよ」と、ひとりの純白の少女が起ち上がり祈るが、
またふたたび、真理が降ることは、ないのだ。 ....
ぼくの化石が、笑いながら尋ねる
もう春ですか、と
やさしい物音が辺りに満ちてきたから、と
そう尋ねた時、湖水で何かが跳ねた


漆黒の深い闇の底へ、光はすべて埋葬され、
1つの箱だけ ....
** 1 **


それは、夜だった、し……
……それに、海は、嵐だった。

だが、――響く 、あの声。
(哀しく、美しい鳴き声)
   ――五色鶸のアリアよ。

五感の全てを、
 ....
   1

 灰色のソネット

燃え尽き、まっ白な灰に
なり、風に散った、
夢がまだ、今も瞼の裏で、
燃えている。

焼けた誰かの夢を、
今日も世界が、
ふぅふぅ吹 ....
モノクロの映画が、僕の方を、じっと観ていた。
僕の黒い瞳は、、薔薇色の少女の口元だけを観ていた。
こんなにも、楽しそうに、君は笑ってくれてたんだ。まだ、君の、
弾けるような笑顔がそこにあった。
 ....
腐り果てた空に、虹が突き刺さって風化したまま、
あらゆる感覚が停止した世界の壁に、ベンガラで擦られた、
巨大な死者の伝言が、僅かに一行、掠れもせず遺されていた。
――「背中に刻まれた言霊、犯人は ....
滑べり堕ち、砕け散った破片の
あまりにも激しい叫びが
その一瞬の、すべてを
切り裂く。

慌てながら抱きしめた手を
深く、鋭く、切り裂いた、
あの日の、
傷口から

一筋の想いが
 ....
昨日のしくみを知らないうちに
すでに今日が問いかける
夕焼の潤むような眼差しの熱さが、
圧倒するようなささやかな爪で、

巨大なオレンヂのなかに私を捕らえ、拘束し、開放した
いつな ....
ハァモニィベル(196)
タイトル カテゴリ Point 日付
裂けぬ夜  【一行詩】自由詩2*14/9/12 13:25
 詩骸のソネット自由詩5*14/9/7 22:51
Gの上空自由詩3*14/9/7 3:53
続・きみの言語自由詩4*14/9/6 19:50
始まりと終わり自由詩3*14/9/5 4:33
きみの言語   自由詩4*14/9/3 7:44
ぽつん自由詩4*14/8/31 19:29
Eyeと詩の間(はざま)で自由詩2*14/8/26 14:33
詩がみえますか自由詩2*14/8/15 8:39
リノケロスの肉球自由詩4*14/8/12 8:05
一つの現代詩自由詩3*14/6/22 10:15
一輪の日々自由詩4*14/6/17 1:16
樹晶夜 【横書Ver.】*改訂版自由詩2*14/6/12 2:50
樹晶夜  【縦書Ver.】自由詩2*14/6/11 10:57
Mirage自由詩2*14/6/9 16:05
サーカディアン・フラクタル自由詩5+*14/6/4 1:12
黒い星に生まれた女の謌自由詩1*14/5/31 3:14
朝の心臓自由詩3*14/5/31 1:35
雲の峰  【題名無茶振り】自由詩114/5/28 15:07
彩とリドリ 【連詩より】自由詩1*14/5/27 19:49
キリン座とフランス座 【題名無茶振り】自由詩1*14/5/27 3:37
雑草の名前 【題名無茶振り】自由詩2*14/5/27 3:31
ある古代詩のソネット自由詩6*14/5/23 22:30
【邂逅】自由詩7*14/5/16 1:56
あれかこれか自由詩1*14/5/14 10:03
14 の ソネット♪自由詩3*14/5/12 18:20
笑顔自由詩4*14/5/9 5:43
【滅亡へのソネット】〔ソネット〕自由詩1*14/5/7 1:08
滲む記憶 〔ソネット〕自由詩1*14/5/6 4:07
わが明日へのソネット 〔ソネット〕自由詩2*14/5/4 15:30

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