湾鶴

遠くに咲く
    桜の写真
浮かべて 流れて
 さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
    追いかけていきそうになる沈黙へ

花びらが散る

クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。あれも、きっれいだった。


ちらちらと
ちらちらと
横顔に降りかかる 雪

桜は遠くに咲いていて
春まではまだ遠い

記憶の奥は密度が高くて
海底トンネルのように
反響しても地上では
耳鳴りのようになってしまう
窒息しそうな苦しさは
肺、いっぱいに。

桜をつかもうと駆け寄るが
 花は散る
  映像は切り取られ
   写真になって 

   は な び ら

流れてゆく流れてゆく流れてゆく流れてゆく流れてゆく


自由詩Copyright 湾鶴 2005-01-20 02:24:23
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にちじょうの、あれこれ。