わたしの胸のなかは
草野春心



  わたしの胸のなかは
  春がくると、空の色とおなじになる
  うぐいすも桜もないこの町を
  がたのきた軽自動車で駆けてくあなた



  風のそよぎが耳にうたう
  鋏をいれたばかりの髪であなたを探す夜  
  詮ない話をくりかえし笑う 夢の中の子供
  まぼろしにむかって吠えているような犬たち
  わたしの胸のなかは
  ほら、雨の音が
  こんなにも遠くきこえる




自由詩 わたしの胸のなかは Copyright 草野春心 2014-03-01 15:01:02
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