ハチ公前に見えたもの
番田 


かつて出会ったことのある
街で 見ていた 人の流れ
その 誰もいない 部屋に沈む夕暮れ 
そのとても赤い風景


今日も自分の心の中で
帰っていく人の顔の冷たさの中にいる
隣の人は もう 自分の夢を
すでに 捨てたようだった


黒色の時計が 回る 
なぜだろうと思う 手の 
指先でテレビをつけるとき 自分の
時の中にある感覚が消えていく


遠のく 街の記憶 生き返る
死んでいたはずの 自分が若かった頃の魂
思い出すことができないことばかりだ
夢は 何も 心の中では 変わっていないのに


自由詩 ハチ公前に見えたもの Copyright 番田  2014-02-12 00:50:20
notebook Home 戻る  過去 未来