それからは子熊のサーカスばかりみて暮らした
アラガイs


誰かが犠牲にならないといけない
そう考えるようになったのは仕事を失ったからかもしれない
あの日も同じようなことを考えていた
巡る空想のなかでぬいぐるみは道化師と暮らし
少年は日々道化師と会話した
ひとりが楽しかった
ぼくはいつもぬいぐるみの中に隠れてしまう
だって平気で子供たちを殺せるのも奴の仕業さ
元来が怠け者で奴は嘘つきなんだから
ほっとかれても実は平気な森の王者
吹雪には青い死んだ馬が誰かを乗せて歩いていくよ
銀仮面をつけた手強い奴さ
枯れた木の下で大人しく眠るから
ぼくのことはほっといてくれればいいのに
そう思うようになってからぼくはひとり森に取り残された
誰かが犠牲にならないといけないんだ
遠く走り続ける回転木馬
あれからそう考えるようにしている
いつまでも隠れてばかりいないで
マジでぬいぐるみになればよかった
そうすれば
平気で生きていられたのに 。








※お題を頂きました。




自由詩 それからは子熊のサーカスばかりみて暮らした Copyright アラガイs 2013-09-21 01:42:20
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