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itukamitaniji

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明日から、明日からと 何度も何度も見送ってきた君も
もうどこにも逃げ出せない そんな今日にやがてたどり着いたんだ
観客席から舞台の上の ヒーローに拍手を送ってただ過ぎた日々
だけど今は君の名前が 舞台の上から呼ばれ始めていた

君のような人間を 生み出したのは紛れもないこんな
頭でっかちな世界かもしれない だけどどうか恨まないで
達観して期待しないようにって 若いうちから決めつけてしまったんだろ
期待もなければ絶望もないのさ だったら何も怖いことなんてない

そんなこと言って強がっても すべてを捨てる勇気もないくせに

無責任だよな そんな君を知らんぷりで世界は今日も回ってさ
だけど忘れないで その回転によって今日も朝は訪れる
何もせずとも進む物語だ だからそんなにムキになることはない
だけどねぇ、なぜだろう? 君はずっと冴えない顔をしてるぜ


写真の中でいつまでも無邪気に 微笑む懐かしい笑顔
そんな風に 濁りもなく笑うことはなくなっちゃうのかな
そう言って君は悲しい顔を見せる そんなことはない、と僕は素直に言える
僕がそうであるようにって そりゃ途切れることはあるけれど

世界は素晴らしいんだと 僕は君に教えてあげなくちゃいけないんだ

どんな言葉が似合うだろう 君にふさわしい言葉はなんだろうって
その明確な答えを 残念ながら未だ持ち合わせていない僕だ
それでも君が「無責任だ」って 笑ってくれるならば本望だな
ここはまだ途中の世界だよ だから生き急ぐことなんてないんだよ

君は君らしく笑ってろよ
子どもは子どもらしく笑ってろよ


自由詩 kids Copyright itukamitaniji 2013-08-15 17:48:21
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