金魚花火
梅昆布茶

きみのゆかた姿が見たくって 誘った夏の金魚花火 まつりの雑踏の中に 大好きなきみのうなじ

手と手をつないでぶらぶら歩く でも知ってるんだ きみが想いをよせてるひとは俺じゃないって

いとしのツインテール ふうわりと空にうかんでゆくみたいに よく似合ってるんだな

胸のふくらみがぼくをどきりとさせて ああ夏なんだなっておもう

もう来ない夏 きみとつながった夏 たいせつな夏

たぶんこの夏のすべてを抱きしめて ぼくは生きるだろう きみに忘れられても

すべての夏がここにあるんだ それが僕の夏

朝顔の模様の浴衣だって きんちょう蚊取り線香の団扇だって とっても似合ってるし

谷川俊太郎がネロのいた夏という詩で描いた 子犬のようにきみは あいくるしくて

ダブリンの夏のように 陽炎のように 人生でいちばん輝いた時間なんだ

夏みかん ゴーヤ きんきんに冷やした西瓜 がりがり君なし味 そんなものに混じって僕の夏が終る

さよならツインテール また秋だね 

今度の夏は ポニーテールかもしれないな



自由詩 金魚花火 Copyright 梅昆布茶 2013-07-25 15:50:47
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