御中元
朝焼彩茜色

いつもお世話になっております

熨斗を貼り 達筆に筆で御中元と払い 留め
下書きは 私の名前を控えめに 払い 留め

中身は日持ちのする涼しげな水羊羹はどうかしら
それとも昔ながらのお煎餅かしら
それともプリンかしら

ああハムね それがいいわね でも
洗剤のほうがいいかしら

物は おまけだから 筆を握りましょう
心は 達筆だから 届き易いでしょうね

いつもお世話になっております の上に心文字をなぞるエッセンス

渡り合えないなんて悲しいけれど 歩み寄る時間もなく

軽くお辞儀する世代を 許して下さいね

建前もその土地は美しい田園 それは本音

縁遠い親族なんて身をもって寂しいから

きちんとご挨拶

御中元 朝焼彩茜色


自由詩 御中元 Copyright 朝焼彩茜色 2013-07-13 16:29:40
notebook Home 戻る  過去 未来