匂やかに
凍湖(とおこ)

なつだから
かぜやみずがぬるくて
わたしもぬるい陽炎になる。

髪の毛がもつれ
からだとからだが近く
凍てついた冬よりずっと
いろんな匂いが生き生きと
なまなましく
あなたのうでは小麦色
汗をかいて
輪郭線がひかって白い。

あぁ、だから駈け足で地面を叩いていった
晴れ雨の虹くらい
たしかな実感として
いのちが匂いたつ。
うなじのシャンプーみたいに。


自由詩 匂やかに Copyright 凍湖(とおこ) 2013-07-11 18:15:33
notebook Home 戻る  過去 未来