ドーナツの消失点
カマキリ

あと少し
この真ん中をくり抜いてでもすがりたいと思った接地面
ただ視覚だけの存在になろうとも見ていたかった三角形
物質に寄りすぎて踏みにじった心に
もうろうとした痛みで振り返る

鏡張りの殻に英雄にはなれなかった自分たちが反射して
泥水のシャワーを甘んじて受け入れている

だからここから先がどんなに地獄であろうともきっと分からない
そこまで過敏な神経を持ち合わせていないのだ

掻い潜れない生き恥を、いろんな角度で背負っている
作ってきた足元はそうそう壊れてあげられなかった

砕けない骨は前を進むことしか許さずに
へらへらと表情を崩してて牙を隠す

羽根の代わりのドーナツ探している

多くは、未完成のまま、強く歩いている


自由詩 ドーナツの消失点 Copyright カマキリ 2013-07-11 18:13:59
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