風の中の鳥のように
梅昆布茶

風はいつだって吹いているんだ

君は生まれた街を忘れてはいないか

水はいつだって洗い流してゆく

僕たちは心の地肌を隠してはいないか


この世界は様々な角度に切り取られ
柔らかな多面体を維持して
猿のネオテニーとも言われる僕ら

社会とか家族
職場や人間関係

政治や経済や
タバコ屋のおばあちゃんや
今鑑別所で更生中の後輩とか

くだらない酒を飲んでは
馬鹿っぱなしで盛り上がる仲間とか

僕を動かしているすべてが世界だとおもう

鳥は風を得て空をゆく
様々な風の表情を読みながら
みづからの血流を感じながら
コントロールできない自分に
失速しながら

それでも風をさがす

生まれてからこのかた
ずっとそうやって生きてきた

これからもたぶん

既存の枠にはまああまりこだわらずに

風に従って

飛ぼうとはおもっているのだが









自由詩 風の中の鳥のように Copyright 梅昆布茶 2013-04-14 03:19:25
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