義務
あおば

                      121122


義務を果たすために焼酎を飲むのだ
麒麟が空を駆けめぐる季節の到来に
おっかなびっくり地を這い蹲って逃げ遅れのアリンコを探し出し
無我夢中で啄んでいる無器用な連中に掻き出されないようにムギを播く
シャリンシャリンとリズムカルにばらまいた後はこれまた無器用な女房が丹念に土をかけてくれるので
私は比較的楽なのであります
女房の方が辛いのに夫唱婦随の精神は旺盛で
へこたれることなく今日も青空の下で真っ直ぐにムギを播くのです
以上は耕耘機の無かった時代によく見られた光景ですが
今でも何処かで行われているのかもしれません
義務を遂行するのも厳しいですが今のあなたにはその覚悟がありますかの
嫌みな顔にも朝日が差して小学生の集団登校を分断していく


自由詩 義務 Copyright あおば 2012-11-22 11:11:57
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